【設計要旨】
本施設は既存の病院敷地内に、長期療養型病床群の病棟を増設するという目的で計画された。既存管理棟と病棟は内部渡り廊下で結び、療養型病室、機能訓練室、特殊浴室、食堂等を新設している。本工事では、療養型病室のありかた、バルコニーの有効性等についてテーマを持ち設計を進めた。
【療養型病室について】
患者にとって長期生活の場となる病室は「家」であるわけで、食事、用便、団欒、読書等が、極力普段の日常生活と同様に続けられることが大切である。各自の「家」と同じ環境を病室で作り出すことはできないが、出来るだけそれに近い病室構成を生み出すよう心がけた。これがひいては患者の回復意欲にもつながり、患者本位の環境造りになるものと考えている。
【バルコニーについて】
建物外観は外周に軒の深いバルコニーを廻している。南九州の気候、風土特性として日差し、台風があげらられる。バルコニーは南九州の強烈な日差しを遮ること、外壁面を守り、壁、サッシ、設備換口からの雨水の浸入を防ぐ等の特性があり、建物を長期に渡り保護するという、最も大切なものであると考えている。
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